おにぎりの中の懲りない面々

お団日記ですが何か問題でも?
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...... 2007年09月29日 の日記 ......
■ (無題)   [ NO. 2007092901-1 ]

その日私は、薄暗がりが続く細い路地を歩いていた。

 

9月も終わりに近づくと日が落ちるのも早く、田舎の街の、ところどころの電柱にポツポツと点く街灯が、辺りを頼りなげに照らしているだけである。

この近くには高校があり、いつも日が暮れてから、部活帰りの学生が自転車をこいで帰路を急ぐ姿を見かけていた。今日もちょうどそんな時間帯である。

 

「キャ――――――!!!!!!!」

 

静寂を破り捨てるかのような、突然の叫び声が聞こえたのはその時だ。

なにがあったのだろう。

私は反射的に、その声のした方へ走り出した。

走りながら、しまった、スリッパをはいている、などと思っていた。

 

息急きたどり着いたその場所には、果たして、二人の女学生がうずくまっていた。

とっさに、握りこぶしに力が入る私。

『敵』はどこにいる!?

 

しかし・・・次によく見ると。

二人の学生は、なにかを拾っている様子だった。

 

地面には、無数にばら撒かれた「グミ」

グレープ味のようだ。

 

・・・きびすを返した私は、心の中でこうつぶやいた。

「お菓子こぼしたくらいでいちいち叫ぶな。」


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